SNS炎上とっさの失敗を失くす方法

生きるヒント

現代ではスマホを手放すことができないくらい生活に浸透してきました。ツイッターやインスタグラムなどのSNS(ソーシャルネットワーキングサービス)を活用される方もたくさんいらっしゃいます。そんな中、度々起きるのが炎上です。

芸能人は特に顕著で、ツイッターのふとした発言から世間の反感を買ってしまったり、インスタグラムに楽しそうな写真を投稿した際、どこかで災害が起こっていたりすると、こんな時に不謹慎だと指摘されたり、思いも寄らないところから炎上してしまうケースもあるのです。一度、炎上してしまうと、その炎はどんどん広がり、いつしか世論を形成するかのように伝播していきます。

ひと昔前なら、「人の噂も七十五日」ということわざのように、二、三ヶ月もすれば忘れられ、話題にあがることもなくなったのですが、今はそうは行かないようです。なぜなら、一度のミスがずっと残る時代なのです。よく“デジタルタトゥー”という言葉を聞きますが、まさに身体に入れたタトゥーのように消えることなく、自分の犯したミスや失言がネット上のどこかに残り続けるのです。

それはスマホなどで検索してみれば簡単に実感できます。Googleで「芸能人(スペース)炎上」と入れてみましょう。10年以上前の記事などが未だに表示されます。10年という年月は、未婚の芸能人が結婚をし、父となり、母となり、ともすれば我が子が小学生に成長するほどの期間であります。つまりは、お子さんがご両親の消し去りたい過去を見つけてしまうことも起こり得るのです。これは実に恐ろしいことです。

このような厄介な炎上はできれば起こしたくないものです。そんな事情から、今では多くの芸能事務所で、SNSを炎上させないための予防策や何かしらトラブルが起こった際の対処法など、リスクマネジメント講習が開催されています。しかし、毎年のように何かしらの炎上が起こっているのが実情です。

そんな中、実はこれまでのケースから炎上を起こしやすい状況が分かってきました。お酒を飲んでいたり、仕事が忙しく疲れていたり、急にカーッとなったり、慢心であったり、いずれも冷静な自分では無い時に炎上の火種を作っていることが多かったのです。

お釈迦様はこんな言葉を残しておられます。

「心はとらえ難く、軽々とざわつき、欲するがままにおもむく。その心は制御したほうがよい。よく制御した心は、安らぎをもたらす。」

“心は制御するのが難しく乱れやすい。だから、心が乱れないよう整えた方が良い。そうすれば、安らぎをもたらしてくれる”と。

まさに炎上が起こった時の状態は心が乱れた状態と言えるでしょう。カーッとなったり、お酒で気持ちが大きくなったりした時こそ、心を整え冷静になることが炎上を未然に防ぐために必要なのではないでしょうか?

しかし、考えてみると、炎上に限らず、我々がミスを犯すのは心が乱れている時に他なりません。急いでいる時に事故を起こしたり、寝不足でイライラして周りに強く当たったり、浮かれて騒いでいる時に無茶をしたり、事故を起こしてとっさに逃げてしまったり、本来の自分ではない状態の時がほとんどです。だから、冷静な第三者から見ると、“なぜそんなミスをするのか?”と理解し難いものなのです。

自分自身も冷静になって後から振り返れば、「なんて馬鹿なことをしたんだ」と気づくことも多く、心が乱れていたからこその失態なのです。まずはそれを理解することが大切です。

では、炎上を防ぐにはどうすればいいのでしょうか?先の言葉にあったように、心というものはとっさに変化するものです。心とはそういうものだと知り、常にその動きを見ることが大切です。

カーッとなったら、「今、自分はカーッとなっているぞ」と理解し、パッと口から出そうになる汚い言葉を飲み込みましょう。飲み込まずに発してしまうと、あとあと後悔することになります。

また仏教では「怒り」を三毒の一つとし、最も良くない行いと捉えます。

三毒とは…「貪欲」「怒り」「愚痴」という三つの煩悩のことで、人間の苦しみの根源とされているものです。「怒り」は自分自身のコントロールを失わせ、間違った結果を導きます。ましてや、それがネット上にずっと残ってしまうこともあるのですから、昔の交通標語にあった「注意一秒、怪我一生」のようなものです。

皆さんも、「怒り」を感じたなら、今日の話を思い出して、一旦その「怒り」を飲み込み、少し間(ま)を置いて冷静になってから、もう一度、今の状況を見つめ直してみましょう。本当に怒らなきゃいけないことなのか、自分にも悪い部分があったのではないか、そんなことを考えているうちに、時間が経つに連れ、大抵のことはどうでもよくなってくるものです。

あなたの不名誉が一生残ることを考えたら、1~2分の間(ま)なんて大したことありません。周りを待たせてしまえばいいのです。正しく心を整え、あなたらしい対処を心がけましょう。

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